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エミッタフォロア(その2)

今回は「エミッタフォロア(その2)」です。

入力インピーダンスとか出力インピーダンスを計算する

前回はエミッタフォロアがピーキングを出すことを計算で求めてみました。今回はエミッタフォロアの入力インピーダンスとか出力インピーダンスを計算してみたいと思います。前回の回路と等価モデルを再び使います。

等価モデルを見る

この等価回路から以下の関係式が導き出せます。

回路の関係式を導く

これらを整理して、Veへの伝達関数を求めます。

となります。と、ここまでは前回と同じです。

エミッタフォロアの出力インピーダンスを求める

エミッタフォロアの出力インピーダンスを計算する上で、負荷のZLは不要なのでZL→∞とします。

出力インピーダンスとは、負荷電流が変化したときにどのくらいVeが変化するかという事なので、を求めればよいことになります。つまり

となります。ここで、を代入すると、

となります。インピーダンスの大きさは、

です。

この式でω→0とすると、

ω→∞では、

つまり、直流では出力インピーダンスはに、高周波ではRになると言っています。

出力インピーダンスの計算結果を回路図で確認する

今回の最初の回路図のSimulation結果を下の図に示します。

等価モデルで計算したとおり、低周波では、に、高周波ではRになっています(^_^)

エミッタフォロアは、出力インピーダンスが周波数と共に高くなってきます。つまり、インダクタと似ていますので、不用意にコンデンサをつけると”共振”が起こり、エミッタフォロアの伝達関数にピーキングが生じます。

これは、前回”エミッタフォロア(その1のやり直し)”で計算で求めましたが、その裏づけにもなっています。

次回は、今回使ったモデルや計算式(A)を使って、エミッタフォロアの入力インピーダンスを計算してみたいと思います。

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