今回は「エミッタフォロア(その2)」です。
入力インピーダンスとか出力インピーダンスを計算する
前回はエミッタフォロアがピーキングを出すことを計算で求めてみました。今回はエミッタフォロアの入力インピーダンスとか出力インピーダンスを計算してみたいと思います。前回の回路と等価モデルを再び使います。
等価モデルを見る
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/map1-6.jpg)
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/map2-3.jpg)
この等価回路から以下の関係式が導き出せます。
回路の関係式を導く
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki1-1.jpg)
これらを整理して、Veへの伝達関数を求めます。
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki2-1.jpg)
となります。と、ここまでは前回と同じです。
エミッタフォロアの出力インピーダンスを求める
エミッタフォロアの出力インピーダンスを計算する上で、負荷のZLは不要なのでZL→∞とします。
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki3-1.jpg)
出力インピーダンスとは、負荷電流が変化したときにどのくらいVeが変化するかという事なので、を求めればよいことになります。つまり
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki4-1.jpg)
となります。ここで、を代入すると、
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki7-1.jpg)
となります。インピーダンスの大きさは、
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki8-1.jpg)
です。
この式でω→0とすると、
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki9-1.jpg)
ω→∞では、
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2023/02/shiki10.jpg)
つまり、直流では出力インピーダンスはに、高周波ではRになると言っています。
出力インピーダンスの計算結果を回路図で確認する
今回の最初の回路図のSimulation結果を下の図に示します。
![](https://d-clue.sakura.ne.jp/blog/wp-content/uploads/2022/03/map3.jpg)
等価モデルで計算したとおり、低周波では、に、高周波ではRになっています(^_^)
エミッタフォロアは、出力インピーダンスが周波数と共に高くなってきます。つまり、インダクタと似ていますので、不用意にコンデンサをつけると”共振”が起こり、エミッタフォロアの伝達関数にピーキングが生じます。
これは、前回”エミッタフォロア(その1のやり直し)”で計算で求めましたが、その裏づけにもなっています。
次回は、今回使ったモデルや計算式(A)を使って、エミッタフォロアの入力インピーダンスを計算してみたいと思います。
![](https://d-clue.com/blog/wp-content/uploads/2024/05/custom_asic-1024x213.jpg)
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