LSI設計

LSI設計とは

LSI設計とは「Large Scale Integration」つまり「大規模集積回路」の頭文字を取った「LSI」の設計を指します。

集積回路とは一般的に、シリコン等半導体の基板の上にトランジスタや抵抗、コンデンサ、ダイオードなどの回路素子を装着し、一つにまとめた電子回路のことをいいます。その集積回路の中でも、一つのチップに集積される素子の数が1,000個~10万個と多いものがLSIで、素子が非常に多いことから、複雑な機能を実現することができるのが特徴です。

個別の機能を持つLSIを1つのLSIにまとめ、実装面積・消費電力を削減し、機器を小型化したり駆動時間を延長することができるLSIは、システムLSIと呼ばれます。

LSI設計は、携帯電話やパソコンにデジタルカメラなどの各種電化製品等さまざまな用途に利用されており、とても身近な存在であると言えます。

LSI設計のポイント

通常のLSIは、もしも設計ミスなどがあっても簡単には修正できません。一から作り直しとなり、費用と時間がかかります。そのため、回路設計が正しいこと、つまり目標通りの機能や性能を満たされているか検証することが非常に重要になります。
一方、 FPGA(Field Programmable Gate Array)と言う製造後でも回路構成を変更できるLSIもあります。大規模なLSIを開発する際に目標の機能を実現できるか事前にハードウェアで検証することに活用し、場合によってはそのまま製品化されることもあります。

LSI設計フロー

LSI設計は下記のプロセスにて業務が進行いたします。

①最適な機能を実現できるよう入念な仕様検討を行ないます。
②論理合成など機能設計を行ないます。
③論理回路の配置などレイアウト設計を行ないます。
④試作品を使用し、実機評価を行ないます。
⑤LSIを量産します。

LSI開発者ブログ

  • システムLSI(SoC)開発教室
  • 国際学会 ISSCC 及び VLSI Circuits のプログラム委員を歴任した元ソニーシステムLSI技術者によるシリーズ。初心者エンジニア向けにシステムLSI技術の歴史と未来について綴ります。

ディー・クルー・テクノロジーズのLSI設計の特長

特定用途向けLSI設計/開発に特化した企業として、ディー・クルー・テクノロジーズは、医療機器からAR技術まで幅広い分野でその専門性を発揮しています。例えば、当社の「ワイヤレス超音波プローブ用LSI」や「最先端超音波診断装置用LSI」は、超音波診断の精度と効率を飛躍的に向上させています。また、ARグラスにおいても、透過型液晶(LCOS)を制御する「AR向け液晶ドライバーASIC」により、ユーザー体験を一層豊かにしています。 これらの製品はすべて、用途特化型集積回路(ASIC)として設計されており、それぞれの装置やシステムにとって不可欠なキーデバイスとなっています。また、性能競争の激しい製品分野において、当社のアナログフロントエンドLSIは、消費電力を大幅に削減しながら、高速データ転送を実現。競争力確保に貢献しています。

さらにデジタル・アナログを融合したMIXED SIGNAL回路における長年にわたる経験と独自の技術開発により、当社は高度なLSI設計/開発を実現し、多くの事業分野で高い評価を得ています。どんなに厳しい設計条件であっても、柔軟に対応し、お客様のニーズに応えることができるエンジニアが在籍することが当社の強みです。

LSI設計による課題解決例

●事例1 「ワイヤレス超音波プローブ用 LSI」

課題

健康診断などで使われ“エコー”と呼ばれる超音波診断装置は、手で持つプローブと診断装置本体は太いケーブルで接続されています。このケーブルが邪魔なので無線化したいと言うニーズがあり、開発したLSIになります。
無線化を実現するためにはバッテリーで動作する必要があり、低消費電力化はもちろん、プローブを手で持ちやすい大きさにするための小型化がLSI開発の課題となります。

解決策

保有しているアナログ設計技術とデジタル設計技術との融合により、従来技術では不可能と言われていた低消費電力化を実現しました。また、デジタル回路とアナログ回路の間のクロストークを抑える細心のレイアウト設計とカスタムWCSP(Wafer level Chip Scale Package)の開発を行い、目標サイズを実現しています。
本LSIは医療用途だけではなく、非破壊検査など超音波技術を活用する装置に広くお使いいただけます。

●事例2 「AR向け透過型液晶(LCOS)制御ASIC」

課題

お客様は新規開発の透過型液晶(LCOS)を搭載したARグラスの開発を計画していました。
そのARグラスを実現するためには、必要な画像処理機能を搭載したLCOSを駆動するLSIが必須であり、開発依頼を頂きました。単に必要な機能を搭載するだけではなく、ARグラスに搭載可能な形状で実現することが課題でした。

解決策

目標のサイズや形状を実現するためには、デジタル回路の高度な配置配線(レイアウト設計)技術が必要になります。この技術を基に必要な画像処理機能(ガンマ補正、クロッピング、上下左右反転、拡大縮小など)を全て搭載し、目標サイズと寸法を実現しました。

LSI設計のご相談はディー・クルー・テクノロジーズへ

LSI設計のアウトソーシングはディー・クルー・テクノロジーズにお任せください。
これまで培った技術を集約し、貴社の課題解決に貢献します。

お問い合わせはこちら